いまどきの若者たち ５ ～恋愛、越えられない壁～

人を好きになり、一生懸命アプローチし、
そして、付き合いが始まっても、
お付き合いが長続きせず、深い関係を築く前に別れてしまう人が
わたしの周りには、たくさんいます。

そんな彼女たちは、誠実で
どちらかというと、ものごとを真っ直ぐに捉えようとするタイプの人たちです。
決して、ちゃらちゃらの誰でもＯＫタイプの人たちではありません。

だから・・・悩みます。
想いを寄せる人と、せっかく始まったお付き合いなのに、
相手が、自分に気持ちをぐっと寄せてくるのがわかると、
何か、心のどこかにブレーキをかけるものがあり、
それ以上、進めなくなるのだそうです。

心に正直でありたいと願う彼女たちは、
そこで、別れを切り出してしまうのです。

相手のどこが気に入らないとか、そういうことではないのだそうです。
ですから、お相手は？？？かもしれませんね。

そして、振っておきながら、
もと彼に新しい彼女ができるとたまらない気持ちになる。
付き合っていたときよりも、好きな気持ちが増してしまうのだそうです。

これをお読みの女性の中にも、思い当たる人いますか？

彼女たちは、ここで初めて
本当に好きになることができたのかもしれません。
その後、もう一度付き合い始めたとしたら、どうなるのでしょうか？

さらに、お付き合いさえも始めない、
同姓の友人に囲まれて満足？している人も多いのです。
彼女たちは、いわゆる 「コクる」 ことさえ、していないのではないでしょうか？

そこには、何か 「超えられない壁」 のようなものを感じます。


彼らのいる環境は、必要なものはそれなりに揃っていて、
また、他に手に入れたいものがあれば、
バイトや親からの援助で手に入れることができる。
ある意味、満たされた環境なのではないでしょうか。

つまり、飢餓感がない！
人の持つ３大本能である、「食欲・性欲・集団欲」 のうち、
食欲と集団欲は、それなりに満たされています。
そこに、ある程度の幸せ感はあるでしょう。

そこで、あえてそれらを手放すことになるかもしれない
リスキーな面を持つ 「性欲」 を満たすために、
危険を冒す必要性を感じないのかもしれません。

そんな風に、自分では意識していなくとも、
何かに駆り立てられるほど、異性と深い関係になりたいとは、感じていない。

つまり、壊れて傷ついて、嫌な思いをするくらいなら、
初めからなくていいやという意識があるのかなと思います。

それは一見、
「平和」 や 「平穏な生活」 につながる生き方のようにも思えます。
しかし、本当の 「平和」 や 「平穏な生活」 には、
『何ものにも脅かされない』 がついていなければならない　
ように、わたしは思います。

これは、確かに高いハードルかもしれません。
しかし残念ながら、脅かす存在がない世の中には、
まだ、なっていないわけですし、
たとえ静かに生きていても、今の世の中、
リストラだ、詐欺だ、地震だ、台風だと、
様々なトラブルに、いつ巻き込まれるやもしれません。

それらを乗り越え、自分らしく生きるためには、
エネルギッシュな欲求も必要な気がします。

そして、それを身に付けるには、
自分をさらけ出して、リスキーな関係を持つ、
恋愛が一番手っ取り早いと、わたしは経験から思います。

わたしにも、うん十年前の、
死ぬほど悲しい失恋や、どろどろの破局などの、苦い恋愛経験があります。
それらは、今、わたしに多くのことを教え、鍛えてくれた財産だと
思えるようになっています。

スマートに、小利口に、問題なく生きるのではなく、
時には熱く、時には不恰好に、時には人に迷惑も掛けながら、
太く、凸凹の人生も素敵だなと思うのです。


恋愛だけでなく、若い人には、
良い悪いを問わず、多くの経験をして欲しいと思います。
失敗ややり直しが可能なのは、若者の特権ですから。



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